日本海、オホーツク海、北太平洋、北極海の冷水帯に生息し、脚は8本で、分類上はヤドカリに近いとされます。雌では腹部が左右不相称。大型のものでは甲幅25cm、脚を広げると1mを超えます。水産上の重要なカニの種類で大部分が缶詰に加工されるとも言われます。甲幅12cm前後で生殖可能となりますが、そこまで成長するのには10年ほどもかかるようです。雌は年2回産卵し、寿命は25~30年とのこと。
タラバガニは脚を広げると1mを超すものもある大型のカニで、甲羅より脚にびっしり身が詰まっています。英名はキング・クラブ。和名はタラの漁場でよく捕獲されたので、漁師たちから鱈場蟹と呼ばれるようになり、この名が定着した模様。
寒海性のカニで、北極海、ベーリング海、北太平洋、日本海などの水温10℃以下の冷水域に生息します。だからカニ漁はオホーツク海など北海道が中心で、ケガニ、ハナサキガニと共に北海道を代表する名物的な存在です。
タラバガニは”カニ缶”でお馴染みのカニで、この缶詰は北海道開拓使の官営缶詰工場で明治12年から製造が始まりました。この官営缶詰工場はアメリカから導入した缶詰製造技術で、明治9年には石狩川河口の村で鮭缶の製造を開始していました。
その後大正10年からは、船内で缶詰加工する蟹工船が数多く北氷洋に繰り出すようになったのですが、1975年以降アメリカやカナダの資源確保の禁漁措置で海外漁場が消滅。水揚げは数百トンと激減します。従って、今では生のタラバガニ同様、カニ缶もまた高級な食材です。
スーパーマーケットや鮮魚店で買う場合は、生の冷凍や茹でたては問題ありませんが、茹でてから冷凍したものに、時折身がスカスカのものがあるので要注意。
では、自宅で楽しむ簡単なタラバガニ料理を紹介しましょう。基本は茹でる、焼く。生の場合は、天麩羅やシャブシャブも美味。少し気分を変えるなら、焼いてからオリーブオイルをかけると、ワインにも合い、イタリア風が楽しめます。
ドライカレーや炊き込みご飯にも合いますね。炊き込みご飯は、イクラの醤油漬けで豪華に演出。アボガドとマヨネーズを加えた手巻き寿司にするのもいいですよ。タラバガニはマヨネーズと相性がよく、意外な美味しさとなります。知ってましたか?